経営コンサルティングが向いている人はどんな人?
経営コンサルティングは近年注目されており、就職希望者も増えている人気職業です。企業の経営課題を分析して課題を抽出し、解決方法を示す仕事であり、求められる能力や思考力は一般的な企業で働く時とは異なります。事前にコンサルタントになるための考え方を知っておくと、方針を決めるのに役立つでしょう。
向いている人のマインドはどのようなものか
経営コンサルティングが向いているといわれる人には、共通して2つのことが挙げられます。
1つは論理的思考ができる人で、これはよく知られているものです。コンサルタントは分析して仮説を立てて検証するプロセスを行う思考力が問われる職業で、道筋を立てるプロフェッショナルなので基本ともいえます。
論理的思考は具体的には根拠と結論の道筋を立てることを指しますが、それだけでは不充分です。論理のスジが通っているだけでなく、あらゆることを想定し検討したうえで導き出す思考力が必要です。当然さまざまな知識があるから検討できるのですが、この考え方ができることが基本であり、最低限の素養ともいわれています。
よく理系の方はこのような考え方に長けているといわれており、それは実験で仮説を立てて実践し検証することが普通の世界で生きてきたからです。
2つ目はポジティブに捉えて仕事ができるマインドを持っている人です。これはどの職業にもいえることではありますが、コンサルタントは求められる仕事の質は非常に高度です。
クライアントからのプレッシャーを受ける仕事ですし、社内外共に人間関係の渦中に身を置く仕事です。精神的にも肉体的にもストレスに晒されるので、その中でもうまく自身の成長と考えてポジティブに乗り越えられる様にしていくことが大切です。その他ではクライアントを優先して考えられる人でないといけません。
コンサルタントは主役ではなく経営者のサポートをする存在です。さまざまな知識や経験、業界を分析するコンサルタントからするとこうした方がいいと結論付けても、クライアントの想いを汲めなければいけません。自分がこうしたいではなく、クライアントならこうしたいだろうというクライアントファーストの考え方ができる人でないと、経営コンサルティングはできないでしょう。正しい正しくないではなく、正しいと納得してもらえることが大切です。
思考力が高いだけではなく段取りもいいことも大切
経営コンサルティングは知能仕事ですが、仕事の速さは重要です。丁寧に時間をかけて完璧な仕事を行うことも大切ですが、コンサルタントに求められるのは何よりも速さです。雑で速いのではなく、丁寧で速いことです。依頼されてから情報を収集して分析から検証、そして実行までの時間は3ヶ月から半年程です。
速ければ速いだけよく、問題の解決に動き出すことは素早い方が当然よいでしょう。クライアントは早く解決策を欲しいものです。丁寧さも分析等では求められますが、それだけではない単純な作業の部分も仕事上あります。その処理を短時間で済ませられる様に、自分で作業スピードを上げるためにはと考え段取りよく仕事を進められる人は経営コンサルティングに向いているといえます。
つまり要領がいい人はどの仕事にも向いているので、経営コンサルティングも例外ではないというわけです。コンサルタントの仕事は知能型の仕事ですが、じっくり考えて動く様な仕事ではないのです。
逆に向いていないといわれる人はどのようなマインドか
コンサルタントは言わば他者の課題を解決する仕事なので、自分が主体で判断を下すことはできません。決定権は自分にはないのです。だから自分で判断したい方にはとてもストレスのある環境といえます。他者に奉仕すると言っても過言ではない仕事なので、してあげているという考え方が強い方も向いていないでしょう。
コンサルタントは人気職業ですが、実際は主役ではなく黒子です。いくら携わった仕事でその企業が大々的にニュースで流れたりしても、経営コンサルティング会社が紹介されるわけではありません。またどの職業にも当てはまりますが、確認をこまめに行えない人は向いてはいません。
性格的なこともあるでしょうが、性格的なことといえるのは社会に出る前までです。仕事とは期限が限られているものですが、仮に1か月以内にといわれた提出物を1か月後最終日に提出してはいけないでしょう。受ける方はギリギリの日なので不安に感じていたことでしょう。進捗状況を都度報告することは社会人の基本であり、これは経営コンサルティングをするうえでも基本です。
経営コンサルティングには向き不向きは当然ありますが、働いている内にノウハウは得られます。後から習得できるものばかりですが、社会人として求められるスキルや考え方は備えておくことが必要です。報告をしっかりできる、コミュニケーション及び礼節といった、当たり前のことができるなら向いているといえます。経営コンサルティング独自の考え方も後々必要になります。それが論理的思考力やポジティブなマインド、そして企業を影から支える黒子に徹するプロフェッショナルなマインドは必要になります。