経営コンサルティングにはどのようなスキルが求められる?
経営コンサルティングの仕事をするときにはいろいろな経験が必要になってきますが、ただ経験をそのままコンサルタントの仕事にできるわけではありません。
理論的に顧客に対して提案するための能力が必要になるでしょう。
財務データをチェックして改善を提案
企業が必ず行わないといけないこととして財務諸表の作成があります。
株式市場に上場しているときは株主などに示す必要があり、それ以外の会社でも取引先や税務申告などで必要になってきます。
財務諸表にはその企業の現在の資産の状況であったり売上や利益の状況、さらにキャッシュフローが分かる書類があり、そちらを見ると今のその企業の状態を把握することができるでしょう。
会社に問題が生じてくると徐々に財務状況が悪くなり、財務諸表上にも出てきます。
経営コンサルティングには求められるスキルとして、まずはそれぞれの企業の財務諸表をしっかりと把握できないといけないでしょう。
貸借対照表には資産と負債と資本があり、それぞれに適正な値があるので、適正値から離れているのであれば、適正値にするための努力が必要になるでしょう。
ただ問題点を見つけるだけではだめで、いかに問題点を改善できるかになります。
商品の販売があまりうまくいっていないときは棚卸商品が増加しがちですが、そのために何をしたらいいのかなどの提案をしていきます。
損益計算書では売上や経費、利益の状態が分かるので、利益が落ちているなら問題と言えるでしょう。
それぞれの企業で利益の元が異なり利益率なども異なり、利益率に問題があるのであればそれが適正になるようにしなければいけません。
お金が少なくなると経営に影響が出てきますので、キャッシュが少ないならそれを改善するための提案が必要になります。
顧客から問題解決のカギを聞き出す
もし経営者自身が企業の問題点を把握しているなら、そのための解決策を自力で行うでしょうし、売上が落ちて利益が出なくなったなら、新たに売上や利益が出る商品の開発や経費の削減などに取り組むでしょう。
しかし会社の業績は良くないにも関わらず、問題点が把握できない状態もあります。
売上が落ちる原因や利益が上がらない原因が分からないために何をしていいかが分からないような状態に、経営コンサルティングに助けを求めてくるときがあります。
そこで顧客を助けるためには、いかに問題点につながる話を引っ張り出せるかというスキルが必要になるでしょう。
問題があるなら必ずどこかに問題の元がありますが、奥深くに隠れていると経営者でも把握ができないときがあります。
そこでいろいろな質問などをして、隠れている問題の鍵を探り出します。
商品が売れないと商品に人気がないからと考えて新商品の開発をしようとするかもしれませんが、それ以外に問題があるかもしれません。
商品そのものは人気があるけども、流通の仕組みの問題でうまく商品が市場に出回っていないのが原因のときもあります。
質問力がないと経営者から有力な情報を引き出すことができないので、いつまでたっても解決できない状態が続きます。
ときには経営者が意識して話をしない部分があるかもしれず、話してもらえないと経穴に進みません。
能力のあるコンサルタントであれば、話そうとしたがらない部分の話もうまく聞き出せるでしょう。
業界ごとに異なる改善案を提案する
会社は必ず何らかの業界に属しており、大きく分けると製造業と商業、サービス業などになります。
製造業の中でも自動車や繊維、食品などがあり、商業においても扱っている商品は様々です。
もし自動車の製造をしている会社が食品の販売をしている会社と同じような経営をしたらどうなるかというと、製造と販売の違いもありますし、全く畑違いの商品を扱うことになるのでうまくいかない可能性があります。
自動車を製造するときにはどんな経営環境があるのかを把握して経営を行う必要があります。
もし企業にトラブルが発生し、経営コンサルティングに対してサポートを求めてくる時、それぞれの業界ごとに対応できるかが重要になります。
コンサルタントになると担当する会社などが決まりますが、人によっては得意な業界ごとに担当が割り振られるときもあります。
例えば、自動車の製造関係に強い人がその業界の会社のコンサルティングを中心に行うということであり、元々自動車業界で働いていた人であれば対応しやすいと考えられます。
一方で新たに別の業界を担当するときもあるでしょうから、そのときはこれから担当する業界の知識を知っておく必要があります。
日本の企業であれば日本国内の企業と取引をすることが多い業界もあれば、海外との取引が多い業界もあります。
海外との取引が多いなら為替や海外情勢などに詳しくないと対応できないかもしれません。