MBAをとれば経営コンサルティング会社に転職できるのか
海外のビジネススクールに留学してMBAを取ってしまえば経営コンサルティング会社に転職できるようになるだろうと意気込み、留学計画を立てる人もいるでしょう。日本では経営学修士とも呼ばれるこの資格があればどんな会社にでも行けるようになるのでしょうか。
そもそもMBAを取るとどうなるのか
まず押さえておきたいのがMBAを取るとどうなるのかです。ビジネススクールで修士号に相当する学位になっているので、いわゆる経営学全般についての知識があって実務力も身につけた人材として認められるようになります。
カリキュラムはビジネススクールごとに異なっていますが、基本的には人材管理、財務会計、オペレーションマーケティング、情報の取り扱い方について基礎から実践まで広く深く学ぶことができるのが特徴です。
これによって経営に関わる基礎的なノウハウはほぼ網羅できるため、経営者として独立起業するための下地として通う人も少なくありません。実際に海外では資格を取得してから速やかに起業して成功している事例もいくつもあります。
他の大学院に通って専門知識をつけることにより経営を学ぶことも可能ですが、MBAの場合には広い範囲を学べることから全体を俯瞰して経営に携われるスキルが身につきます。そのため、コンサルタントとして経営に関わっていく道も切り開くことができ、フリーコンサルタントとして成功している人も少なくありません。
経営コンサルティング会社への転職に有利なのか
このように経営に関わる幅広い知識を付けた人材として評価してもらえるようになるMBA取得者はきっと経営コンサルティング会社でも活躍できると考えられるでしょう。
コンサルティング会社にもいろいろな種類がありますが、その中でも経営コンサルティング会社は経営に特化したサポートをしているのが特徴で、経営に関する課題を洗い出したり、解決方法を提案したりすることで活躍できます。
基本的にはMBAの取得の過程で学べる経営学が基礎になり、そこから所属先の会社が強みとしているサービスを上手に組み込んだり、オリジナルのノウハウを入れ込んだりして顧客のためになる提案を続けていけば大きな成功を遂げられるでしょう。このような会社だからこそ確かにMBAを持っていれば有利になります。戦力として使えるはずだという判断をしてくれる可能性が高いからです。
ただ、それだけで確実に活躍できるとは判断してもらえないので、志望先の会社のサービスについて詳しいことや、実際にコンサルティングをする能力があるのかという点も面接を通して見極められるのが一般的です。特に経験がない場合にはあくまで書類選考を通りやすくする程度のものだと考えたほうが良いでしょう。
また、海外のビジネススクールで修士号を取得したという点から英語力で心配はないという評価は受けられます。語学試験の成績などがあまりよくなかったとしてもビジネスの場で実践できるレベルの能力を持っていると判断してもらえるでしょう。この観点からも海外展開している会社の場合には有利になります。
MBAは必須ではないので注意しよう
経営コンサルティング会社に転職するときにはMBAを取っていると有利なのは確かですが、特に必須事項になっているわけではありません。取得していると経営学についての知識はとりあえず足りていると判断してもらえるだけなのです。独学でもっと詳しくなっている人もいるでしょう。
あるいは人材管理や財務会計には強いけれど、実はオペレーションマーケティングには弱いという人もいれば、情報に特化していて優れたスキルを持っている人もいます。そのスキルセットの違いによってニーズのある現場も異なるため、オールラウンダーとも言えるMBAの取得者が常に有利とは限りません。独自のスキルセットを持っている人を高く評価して迎え入れてくれる経営コンサルティング会社も多くなっています。
これから留学してビジネススクールで学ぼうと考えると二年は経過してしまうことになりますが、今すぐに転職を目指しても採用される可能性もあると考えましょう。経営に関する知識が求められるのは確かですが、それが学位によって保証されていなくても採用される可能性は十分にあるのです。
経営コンサルティング会社に転職するときにはMBAを取っていると有利になるのは確かです。経営に関する基礎から実践まで幅広くあらゆる分野にわたって知識を付けた人材だと評価してもらえるようになるからです。
ただし、取っていなかったとしても特に大きな問題があるわけではありません。独自性のあるスキルセットを持っている人材を高く評価している経営コンサルティング会社も多いので、留学を計画するよりもすぐに転職先を探してみるのが良い可能性があると理解しておきましょう。