大手と中小の経営コンサルティングの違い
経営コンサルティングは、企業が抱える課題や問題を洗い出し、問題解決の方向性を決める上で頼もしい存在です。しかし誰に任せてもよいというわけではなく、選ぶ時は会社の規模などを考慮しながら、慎重に行う必要があります。大手と中小の経営コンサルティングの違いについて把握しておくと、コンサルティング会社選びで失敗しにくくなります。
大手企業向けの経営コンサルティングとは
大手企業は従業員を多く抱え、優秀な人材も多く含まれているという特徴を持っています。また中小企業よりも資金が多く、大きな事業に投資したり、特定の分野について研究したりと、大きなプロジェクトに取り組めるというメリットもあります。大手企業が相手をするクライアントや販売先も必然的に多くなり、経営に欠かせない人材や資金、モノが豊富にあるという環境が整っています。
こうした大手企業の経営コンサルティングは、豊富な人材や資金、モノがあるという前提で行われます。大企業で働いている人は優秀な人材が多く、たとえ平社員であったとしても、相手が求めていることや希望していることなどを察知し、いわれなくても行動するという人がほとんどです。
そのため問題解決策も、優秀な人材が実践することを前提としています。業績不振という問題が浮上した場合でも、経営コンサルタントはある程度の資金を投入した解決策の提案ができます。技術レベルの高い会社であれば、持っている技術を駆使した解決策という選択肢もありますし、プロジェクトを立ち上げて、そこに人・金・モノを投入することも考えられるでしょう。
大企業向けの経営コンサルティングはダイナミックで、企業がすでに持っている資源を使い、ベストな方法を提示しやすくなります。経営コンサルタントも大手企業出身や日系企業出身など、規模の大きな企業で活躍した人が多く、相性がよいといえるでしょう。
中小企業向けの経営コンサルティングとは
中小企業の経営コンサルティングは、大手のそれとは大きく異なります。その大きな理由として、中小企業には、大企業のように人・資金・モノが豊富とは限らないという点が挙げられます。中小企業は常に人材不足といわれているように、仕事ができる社員は大企業ほど多いわけではありません。
資金についても同じことがいえるでしょう。大企業と比べると事業規模が小さくなるため、問題解決に使える資金にも限度があります。技術レベルについても同じことがいえるでしょう。経営コンサルタントとのかかわりあい方も、大企業と中小企業では異なります。
大手企業の場合、問題解決にあたって担当者がついたり、複数の社員でチームを組んだりする傾向があります。中小企業の場合経営コンサルタントともっとも関わり合いが多いのは、経営者です。特定の問題について解決を試みるというよりも、傾斜に寄り添ってサポートする傾向が、中小企業向けコンサルティングの特徴といえるでしょう。中小企業向けに経営コンサルティングを展開している人は、1人で10社ほどを担当することもあります。
場合によっては東京以外の場所に移動するということも少なくありません。中小企業と一口にいっても、経営形態や経営者の価値観など大きく異なり、ケースバイケースで対応していく柔軟な姿勢が求められます。大企業と中小企業の経営コンサルティングは異なる、ということを知っておく必要があるでしょう。
東京で経営コンサルティング会社を選ぶコツ
東京で中小企業向けの経営コンサルティング会社を選ぶ場合、中小企業のことをよく理解しているところがおすすめです。大企業出身の経営コンサルタントは、中小企業では上手く行かないケースも少なくない、といわれてることもありますが、これは中小企業と大企業を区別せずに、大企業の問題解決マニュアルを、そのまま中小企業のコンサルティングで実施してしまうことが理由として考えられます。
大企業では上手くいったからと、同じやり方を中小企業に対して行っても、業績が下がってしまうこともあります。それほど両者の特徴は異なるため、中小企業向けの経営コンサルタントを選ぶ場合は、中小企業に寄り添ったコンサルティングを展開している会社がおすすめです。
できれば実績があり、ある程度のノウハウを蓄積している会社を選ぶとよいでしょう。東京には中小企業向けの経営コンサルタントを行っている会社が多くありますので、会社のホームページなどを参考にしながら、よさそうな所を複数ピックアップしてみましょう。
候補は複数選ぶことがポイントで、複数選ぶことでサービス内容や実績、コンサル料などさまざまな点で比較できるからです。会社の中には。華やかな学歴や経歴を持つコンサルタントが在籍しているところもあります。この人に任せたら、解決できそうだと思うかもしれませんが、中小企業の場合そうした経歴が足を引っ張ることもありますので注意が必要です。中小企業診断士など関連した資格を持っているかどうかも、会社選びの判断材料になります。
大企業と中小企業の経営コンサルティングの違いについて解説しました。コンサルタントも依頼する側も、大企業と中小企業との違いを明確にしておくことは、問題解決する上でとても大切なポイントです。中小企業について深い理解を持ち、会社に添ったコンサルティングを展開している会社を選びましょう。