経営コンサルティングでよくあるクレームは?
経営コンサルティングでは顧客の満足を最も重視した対応をするのが基本ですが、対応の仕方によっては不満が生じてしまうことがあります。顧客サービスをする事業では不満の声が上がることはしばしばあり、クレームとして直接訴えかけられることもあるでしょう。コンサルティングにおいては具体的にはどんな不満が発生するのでしょうか。
提案内容の効果が薄かったときのクレーム
経営コンサルティングにおけるクレームとして典型的なのは、コンサルタントとして提案した内容に関して期待したような効果が得られなかったときの不満です。業界の動向や自社リソースに基づくと、このような事業戦略で中長期経営計画を立てればきっとこのような形で営業利益が向上していくはずだといったことを提案したとしましょう。
それに基づいて経営者が具体的な中長期経営計画を立て、さらに事業改革のあり方や投資計画などについても作り上げ、再び経営コンサルタントに相談して細かな修正をしたとします。それで実際にそのフェーズを進めていったところ、当初の想定通りに営業利益が上がらず、とくにコンサルタントが推していた改革による経済効果が少なかったという状況になると不満が生じるのは明らかでしょう。
修正した部分が裏目に出ているというようなときにも、この落とし前をどのようにして付けてくれるのかといわれてしまうことがあります。あまりにもひどい場合には契約を破棄されてしまうことにもなりかねないので注意が必要です。このような際には速やかに打開策を提案し、想定通りに進まなかった理由と、その打開策で挽回可能な理由を説明しましょう。失敗したことは認めつつ、現況からでも当初の計画通りの数字を目指せることを示すのが大切です。
タイムリーな対応ではないことへのクレーム
事業の展開はタイミングが重要になるため、経営コンサルタントもタイムリーに対応をすることが求められます。対応内容としては充分なものだったとしても、タイムリーではなかったことに対してクレームが付くのは珍しいことではありません。
経営者から週末までに回答を欲しいといわれていたときに週明けになってしまったり、競合他社の動きから考えて早めに出しておくべきだったアドバイスを今さらいわれても遅いというタイミングで言ってしまったりしたのがよくある問題です。
タイムリーかどうかはかなりシビアな問題で、たった今いうよりも後になってからいったほうがよい場合もあります。アドバイスをするタイミングが悪かったために経営者がアクションを起こすときを見誤り、損失が生じた理由は経営コンサルティングのやり方が悪かったからだという解釈をする経営者もいます。
経営者としては自分の立場を守らなければならないので、責任をコンサルタントに押し付けようとするケースもないわけではありません。そのようなときにいい訳として使いやすいのが「タイミングが悪い」「連絡が遅い」といったものなので、いかにしてタイムリーに連絡をするかは経営コンサルティングでは常に考える必要があります。
もし都合によって連絡が遅れるときなどには事前に連絡を入れて、その代わりに何ができるかを提案しておくのが効果的です。事後になってからカバーしにくいクレームなので事前に手を打つように心がけましょう。
クレームを減らすには良好な関係が必要
この他にも経営コンサルティングに対するクレームにはいろいろなものがあります。ただ、あまりにも多いと対応が大変になり、評価もどんどん低下していってしまうことになります。どんな対応をしていたとしても多かれ少なかれ不満が生じるのは確かなので、それがボーダーラインを超えて経営者のストレスになってしまわないようにするのが大切です。
いかにして寛容に対応してもらうかという視点で予防策を講じておくのも重要でしょう。最も大切なのは経営者との連絡を密にとり、良好な関係を保つことです。
あまり連絡をしていないと気にかけられていないと思われてしまい、何か問題が生じたときに不満が大きくなってクレームを付けるということになりがちです。良好な関係ができていれば多少の不満があったとしても妥協してくれます。常日頃から連絡を取るようにして信頼関係を樹立するように心がけましょう。
経営コンサルティングでは提案内容から期待される結果が得られなかったときや、タイムリーな対応ができなかったときにはクレームを付けられてしまいがちです。基本的には理由を説明した上で、挽回可能な対策を提案できれば解決することはできます。
ただ、事後になってからではカバーするのが難しい場合もあるので、対応が遅れるときなどは事前に連絡をして代わりにどんなことができるかを提案しておくようにしましょう。経営者との関係を良好に維持することで、多少の不満があったとしてもクレームが付くことはなくなります。常日頃から連絡を密にして信頼し合える関係を築き上げていくようにしましょう。