コンサルティング会社への内定は理系のほうが有利?
「経営コンサルティング会社に就職したい!」という目標を持ち、内定を勝ち取るため、いろいろと調べていると、理系のほうが圧倒的に有利という情報が目に入ります。今回は、コンサルティング会社への内定は、文系よりも理系の方が本当に有利なのか?について解説。コンサルティングファームがどんな人物像を求めているかもご紹介します。
コンサルティングファームの内定者は9割が理系
文系の方は、「文系だから、コンサルティングファームには向いていない…」「コンサルティングファームへの就職は難しいのかな…」と思っているかもしれません。しかし、理系だから向いている、文系だから向いていないという訳ではないようです。
確かに、コンサルティングファームの選考会では、理系の学生が多くいます。選考が進んでいくと、その傾向はさらに強くなり、結果的に全体では割合の少ない理系の大学院生が、圧倒的多数を占めることも。
それではなぜ内定者の多くが、理系の大学院生なのかというと、理系の大学院生は思考力が優れているからです。思考力は、訓練で鍛えることができる能力で、理系の勉強には不可欠な問題解決能力でもあります。
そして、その問題解決能力は、コンサルティングファームの業務でも必要不可欠とされているのです。そのため、文系・理系という枠組みはなくても、思考力の高い理系の大学院生の割合が、結果的に多くなっています。
理系と内定の因果関係はない
コンサルティングファームの内定を勝ち取りたいから、理系の大学院を目指すという考えは大きな間違いです。コンサルティングファームは、「理系だから」「大学院生だから」という理由で採用することはまずありません。それなのになぜ、コンサルティングファームには理系の大学院生が多いのでしょうか?
それは、理系の学生が学生時代に学ぶ、学習内容や学習法に深く関係しています。理系と呼ばれる分野の多くは、実験や研究によって、結果を導き出すというプロセスを踏むのです。
具体的には、何か発生している事象や問題点に対して、原因を突き止めるために「仮説」を立てます。その仮説を立証するために実験などで、トライアンドエラーを繰り返し、エラーが起きるたびに、「エラーの原因はいったい何だったのか?」「次はどのような点に気を付ければ同じことが起きないのか?」など、常に自ら思考し、解決方法を導き出すということを日常的に行っているのです。
この自ら仮説を立て、結果を導き出すという作業は、おのずと思考力を鍛えることにつながります。この思考力の高さこそがコンサルティングファームが求める人材には欠かせない能力です。どちらかというと、知識を積み上げる(暗記)する学習の多い文系出身の学生よりも、理系出身の学生がコンサルティングファームに多いのは、それだけ思考力の高い人材が多いからでしょう。そのため、理系の大学院生とコンサルティングファームへの内定に「因果関係」はありませんが、「相関関係」はあるといえるのです。
コンサルティングファームが採用したい人とは?
それではコンサルティングファームは、どのような人材を採用したいと考えているのでしょうか?前述のとおり、「理系だから」「大学院生だから」という理由で採用することはありません。コンサルティングファームが欲している人材は「自分の目で問題点を見つけ、解決策を自らの頭で考えることが出来る人(能力)」です。
これを端的に言葉にすると前項に記載の通り「思考力が高い人」ということになります。コンサルティングファームでは、その人の能力を把握するため、複数回の面接を実施。
まず見られるのが、「対応力と反応力」です。この力を見るために「なぜこの会社を選んだのか?」「同業他社と比較し、なぜこの会社があっていると思ったのか?」など、なぜこの会社を選んだのか?についてプロセスと理由を徹底的に聞かれます。この厳しい追及に対して、どのように打開するのかが面接のポイントです。
次に見られるのが「問題解決力と論理的な思考力」。これは面接の場で、突然、答えを知っている人が限りなく少ないであろう問題や抽象的なテーマについて質問され、それに対して合っているか間違っているかだけではなく、どのような情報をもとにその答え(結果)を導き出したのかを自分の言葉で理論的に説明することが求められます。
このように、採用後、クライアントからの厳しい要求に対して、どれだけ対応することができるのかを総合的に見られるのがコンサルティングフアームの採用基準であり、この基準を突破するために必要な能力が「思考力の高さ」だといえるでしょう。
一見理系が有利と思われているコンサルティング会社への内定ですが、「理系だから有利」「文系だから不利」ということではないことがおわかりいただけたでしょうか。しかし、本記事を読んでいただくとわかる通り、理系の勉強をしてきた方は、その勉強内容から「思考力」の高い方が多いのは事実です。コンサルティング会社への就職を目指すのであれば「思考力」を高めることが重要だといえます。